パナ・シャープ・東芝“三社三様”の4Kチューナー録画機能や地デジチューナーの有無で差異化
視聴スタイルに適したモデル選びが重要

 6月27日、パナソニックが単体4Kチューナー「TU-BUHD100」を発表、2018年10月中旬からの販売開始をアナウンスしました。これで5月に発表した東芝、6月初旬に発表したシャープとあわせて主力3社のモデルが出揃ったことになります。

 ここで非常に興味深いことは、3社の「単体4Kチューナー」という機器への位置付け方の違いが明確になったことだと思います。3モデルとも単体4Kチューナーという商品ジャンルに属し、メイン機能である4Kチューナーを1基搭載する点では共通していますが、その他の仕様には大きな違いがあり、それが3社の方向性の違いを、そのまま表しているように感じるからです(表参照)。

リーズナブルだが録画非対応のパナソニック

 まずは録画機能(別売りUSBハードディスク録画)ですが、対応しているのは東芝とシャープで、パナソニックは非対応です。

 USBハードディスク録画については、対応して欲しいと思うユーザーの方が多いのではないでしょうか。というのも、少なくとも4K放送開始直後は、既存BS受信環境を流用しながら単体4Kチューナーのみの追加設置で、4K放送の視聴環境を整えようというユーザーが圧倒的に多いと思われるからです(このシステムで視聴できる4Kチャンネルは、NHK及び民放5キー局のみ。4K放送視聴システムに関する詳細はこちらまで)。そうしたユーザーが4K番組を録画するためには、USBハードディスク録画が最もシンプルな方法になるからです。

 パナソニックは4Kチューナーのプレスリリースに「“新4K衛星放送”開始までに4K放送の録画に対応したディーガの発売を予定しています」と注記しているので、録画はそちらで、というスタンスなのでしょう。

 確かにディーガで録画すれば編集やダビングなどの付帯作業が可能になりますし、全録やスマホ連携などの便利機能に対応したモデルも発売されるでしょう。4K番組録画をフルに満喫できるわけです。その一方で今回発表した単体4Kチューナーは、4K放送にそこまでを求めないユーザーに向けた“手軽でリーズナブルな4K受信機器”という位置づけのように感じます。

パナソニック「TU-BUHD100」

フルスペックの東芝、シンプルのシャープ

 これに対して“4Kフルスペック”ともいえるのが東芝。4K放送のUSBハードディスク録画はもちろんのこと、地デジ・BSデジ・110度CSのチューナーも各2基ずつ搭載しており、そのすべてが裏番組録画にまで対応。4K対応テレビでなく、4Kモニターと組み合わせても、4Kからフルハイビジョンまでを存分に楽しめるテレビシステムへとアップグレード可能です。

 つまり東芝の単体4Kチューナーは、ディスクへのダビングや全録機能などを必要としないのであれば、レコーダーなしでもかなりの高レベルな4K&AVライフを実現可能なモデルといえます。その分価格は、パナソニックよりも高めの設定が想定されています。これをどう評価するかは、ユーザーの視聴スタイルによって分かれてくるでしょう。

東芝「TT-4K100」

 3機種の中で最もシンプルなモデルがシャープです。搭載するチューナーは4K放送のみ。地デジやBSデジのチューナーは「テレビに搭載してあるので、単体4Kチューナーには不要」と割り切ったのでしょう。

 ただし、USBハードディスク録画には対応しており、4K放送に関するニーズについては、最大限に応えられるモデルといえます。先日の発表段階では開発中のプロトタイプだったので、このままの仕様で商品化されるのかは、まだ分かりませんが、単体4Kチューナーについては当面、このシンプル路線が踏襲される可能性が大きいでしょう。

シャープ「4Kチューナー(プロトタイプ)」

 ということで、一言で単体4Kチューナーといっても、その方向性は各社各様。搭載機能には大きな違いがあり、その分、想定価格にも差が出ています。それだけに、ユーザーは自身の視聴スタイルに適したモデルを選ぶことが重要です。これをないがしろにすると「価格で選んだら録画できないモデルだった」や「BSデジタルチューナーは必要なかったのに」といったことになりかねないわけです。

 ましてや今年の秋に、各社が発売するはずの「4Kチューナー内蔵レコーダー」を視野にしているのであれば、単体チューナーの要不要について、じっくりと検討すべきでしょう。現段階では4Kチューナー内蔵レコーダーが、どの価格帯のモデルとなるのかは見えていません。仮に上位の高価なモデルだけだとすれば、当面はリーズナブルな単体チューナーでという選択肢もあるでしょうし、逆に普及モデルも含めたフルラインアップであれば、最初からレコーダーで、という選択肢もあるでしょう。

 いずれにしても2018年12月1日の4K放送開始を前に今後、各社からさまざまなタイプの4Kチューナー内蔵機器(テレビ、レコーダー、単体チューナー等)が発売されることになります。その情報入手は、後々の後悔をしないためにも、じっくりと念入りに行うべきでしょう。(征矢野毅彦)