広辞苑(第七版)収録の小型電子辞書を発売/カシオ108.5×87mm、約175gの小型モデル
50音配列キーボード採用で国語系に強い

カシオ計算機は、同社の電子辞書「EX-word(エクスワード)」シリーズの新製品として、「広辞苑 第七版」を収録した「XD-C400」を発売しました。シニア世代を意識した操作性や視認性にこだわったという新モデルですが、国語系コンテンツが充実した小型ボディは全世代にわたって使いやすいモデルといえそうです。

携帯性に優れた小型モデル

新モデルのXD-C400は、小型ボディに3.4型カラー液晶パネルを搭載。キーボードには50音配列が採用されており、日本語関連のコンテンツを使うには利便性が高いといえます。また、文字サイズを3段階で切り替えることができるので、画数の多い複雑な文字なども拡大表示により見やすくなることが特徴です。

同社独自の「TAFCOT(タフコット)」の採用により、落下や加圧、振動などの衝撃が軽減されるので、外出先や出張先への携行性が高いといえます。

コンテンツとしては、10年ぶりに改訂された広辞苑(第七版)を同社の小型モデルとしてはじめて収録。さらに、言葉の適切な使い方や誤用について詳しく解説した「明鏡国語辞典 第二版(大修館)」、「使い方の分かる類語例解辞典(小学館)」や「NEW現代カタカナ辞典(旺文社)」などが収録されているので、日本語の文章作成や読書に役立つのではないでしょうか。

この他にも、英和/和英辞典、海外旅行に役立つ10カ国語会話集など、教養から趣味まで厳選されたコンテンツが収録されています。メーカー希望小売価格はオープン、市場価格は税別1万6000円前後です。

●携帯性に優れた小型ボディが特徴の「XD-C400」
型番 XD-C400
液晶表示 TFTカラー液晶 横73.9×縦42.4mm(3.4型)/横384×縦216ドット
コンテンツ数 40
電源 単3形乾電池(アルカリ乾電池)~単3形充電池使用可能(eneloop/EVOLTA)
電池寿命 約100時間(英和辞典の訳画面の連続表示時間)
約50時間(入力・検索5分/英和辞典の訳画面55分表示を繰り返した場合)
※いずれも画面の明るさ3設定/表示状態から30秒後に暗くなる場合
本体サイズ(閉じた状態) W108.5×D87.0×H17.7(最厚部)
質量 約175g(電池込み)

豊富なラインアップで様々な世代を取り込む

文章を書くという仕事柄、辞書はよく使います。パソコンのワープロソフトでは変換候補が表示されるので、何となくの記憶でも漢字や単語を入力が可能です。最近は、ワープロソフトに辞書機能が搭載されている製品もありますし、スマートフォンの辞書アプリを使うビジネスマンも増えているのではないでしょうか。

個人的にも、手元に電子辞書がない場合にはワープロの辞書機能やスマートフォンを使うことはありますが、基本的にはやはり辞書を使います。言葉に関する情報量としては最も充実していると考えているからです。

仕事場には広辞苑をはじめ、類語辞典や英和辞典など様々な辞書があり、通常はこれらの紙ベースの辞書を活用することが多いです。というのも、一覧性に優れていることと前後の単語やページから新しい言葉の発見があるからです。しかし、外出先やデスクを離れた場所にまで膨大な辞書を持ち運ぶわけにはいきませんから、様々な辞書コンテンツを持ち運べる電子辞書は大いに重宝されているわけです。

とはいえ、下記の図が示すように電子辞書の市場は2007年以降、減少の一途をたどっています。撤退するメーカーも相次ぎ、現在のプレーヤーはカシオの他、シャープとキヤノンの3社となっています。

●電子辞書の年別出荷実績推移。出典:一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会

縮小する市場にあって、気を吐くメーカーがカシオです。出荷台数ベースの国内シェアは7割や8割ともいわれ、BCNランキングの販売台数では2017年で約56%と過半数を超えるシェアを占めており、2005年から13年連続でトップシェアを維持しているとのこと。

カシオの強みは、市場をセグメントして世代ごとに多彩なモデルを揃えていることでしょう。例えば、単に学生向けにとどまらず、小学生/中学生/高校生向けに分けるだけでなく、小学生向けを低学年モデルと高学年モデルに細分化しています。この他にも、医学向けやビジネス向け、各種語学学習向け、シニア向けなど、国内向けモデルだけで25機種に及んでいます。今回の新製品となるXD-C400は、シニア向けに位置付けられています。

電子辞書の需要減少の理由の1つに、先にも触れたスマートフォンの辞書アプリやWeb辞書の普及があります。電子辞書が単に「調べる」だけの道具であれば、この先も需要は減少していくばかりでしょう。しかし、電子辞書には、「正確で深い情報や意味を知るには電子辞書が適している」という強みと、「学ぶ」という学習支援ツールとしての側面があります。

特に、カシオでは学習支援機能の強化に力を入れており、2017年には英語の発音を判定する機能を搭載したモデルを発売しています。カシオといえば、G-SHOCKや撤退してしまいましたがコンパクトデジタルカメラなどで見せた独自色の強い同社ならではの機能が魅力といえます。電子辞書においても、その独自性を発揮し、これまでと変わらぬ立ち位置を獲得していくのではないでしょうか。(長谷川丈一)