話題のWi-Fiルーター「プレミアム」シリーズとは/NEC速度と安定性に徹底したこだわり
「遅い」「切れる」不満を解決!

NECが2018年7月に発売したWi-FiルーターのAterm「プレミアム」シリーズ3モデルが話題です。先日、同モデルを取材する機会がありましたので、注目を集めている理由を探ってみました。

伝送速度ごとに3モデルを用意

新モデルは、4ストリームの「Aterm WG2600HP3」と3ストリームの「Aterm WG1900HP2」、2ストリームの「Aterm WG1200HP3」の3モデルです。ストリームとは通信経路のことで、端的にいえばアンテナの数です。これが多いほど基本的に伝送スピードも速くなります。

●4ストリームモデルの「Aterm WG2600HP3」
型番 WG2600HP3
伝送速度(5GHz) 1733Mbps
伝送速度(2.4GHz) 800Mbps
ストリーム数 4ストリーム/4×4
ハイパワーシステム
ワイドレンジアンテナ
バンドステアリング
オートチャネルセレクト
IPv6 High Speed
本体サイズ 38×129.5×170mm
質量 600g
●3ストリームモデルの「Aterm WG1900HP2」
型番 WG1900HP2
伝送速度(5GHz) 1300Mbps
伝送速度(2.4GHz) 600Mbps
ストリーム数 3ストリーム/3×4
ハイパワーシステム
ワイドレンジアンテナ
バンドステアリング
オートチャネルセレクト
IPv6 High Speed
本体サイズ 33×110×169.5mm
質量 400g
●2ストリームモデルの「Aterm WG1200HP3」
型番 WG1200HP3
伝送速度(5GHz) 867Mbps
伝送速度(2.4GHz) 300Mbps
ストリーム数 2ストリーム/2×2
ハイパワーシステム
ワイドレンジアンテナ
バンドステアリング
オートチャネルセレクト
IPv6 High Speed
本体サイズ 33×97×146mm
質量 200g

速度と安定性を徹底的に追及

Wi-Fi環境を使っていて、最も困ることは通信が遅くなったり不安定になること。時に突然つながらなくなることもあります。今では、さまざまな機能がWi-Fiルーターに搭載されていますが、そこに求められる本質は「高速通信を安定的に使える」ことではないでしょうか。新モデルが注目される理由は、まさにここにあります。

その開発思想は「速度と安定性の追及に徹底的にこだわった」こと。新モデルは、いずれも最新規格のIEEE802.11acはもちろん、急速に普及が進むインターネット接続方式のIPv6に対応しています。他社では、2ストリームクラスのモデルでIPv6に対応している機種はほとんどないようですが、NECでは前述の考え方をベースにしっかりと対応しているわけです。この辺りにも、プレミアムシリーズとしてのこだわりを感じました。

これは考えてみれば当然のことで、ストリーム数は単に伝送速度のラインアップを作るためのものではありません。ストリーム数の選択は使用人数や端末台数で決まるもの。一人世帯やSOHOなどで接続端末台数が少なければ2ストリームが適正で、4ストリーム機ではオーバースペックにもなりかねません。

この場合、2ストリームモデルを使うユーザーにとってIPv6が不要かといえば、そんなことはないでしょう。今後、新接続方式への移行は自然な流れであり、早期から対応しておくことユーザーにとってもメリットがあること。NECとしては、そうした流れを自然に取り込んでいるのだと思います。

また、Wi-Fiルーターは同一規格に基づいて設計されているため、伝送速度などは基本的にどのメーカーも似たようなものと思いがちです。製品パッケージやカタログのスペックを見ても、ストリーム数が同じであれば伝送速度もほぼ変わりません。しかし、「メーカーごとのチューニング技術や独自機能により実際のスループットは異なる」のだそうです。

例えば、IPv6も接続方式はどのメーカーにとっても違いはありませんが、プレミアムシリーズでは独自技術となるブースト機能により通常のIPv6より約3倍もの高速化が実現されています(「IPv6 High Speed(*1)」)。これは、プレミアムモデルの開発元であるNECプラットフォームズがIPv6規格の策定や普及活動に長く携わっており、同規格を知り尽くしたノウハウの蓄積があるからこそ実現できたものとのこと。同じ規格であっても、こうしたメーカーごとの技術的な相違が実際の通信速度や快適性に影響しているわけです。
(*1)2018年10月予定。適用モデルのファームウェアバージョンアップにより対応

この他、新技術の「ハイパワーシステム(電波強度を保てる範囲が拡大)」や「ワイドレンジアンテナ(WG2600HP3のみ。立体的な三方向へ均等に電波が届く)」を搭載すると共に、既存機能の「バンドステアリング」や「オートチャネルセレクト」なども強化して、通信の安定性も高められています。ワンフロアのオフィスなどであれば隅々まで高速で安定した通信環境を実現できるのではないでしょうか。

プレミアムシリーズは、基本的にコンシューマー向けモデルではあります。ビジネス機とコンシューマー機の大きな違いはルーター機能の有無や同時接続台数ですが、例えばWG2600HP3の接続台数はWG2600HP3で最大18台。小規模事業者であれば、十分に使用可能なスペックです。ルーター機能を切ってアクセスポイントとして使うこともできますから、すでにルーター環境が構築されている事業者にも適しています。

コンシューマーからSOHO、小規模事業者まで幅広いユーザーに高速通信と安定性を提供できる――この点が、プレミアムシリーズの大きな特徴というわけです。(長谷川丈一)