AI搭載「霧ヶ峰」2019年モデルを発表/三菱電機AIが室温や湿度の変化を予測して事前に対処
「冷房」と「除湿」のモード切替も全自動に!

 三菱電機がルームエアコン「霧ヶ峰FZ・Zシリーズ」の2019年モデルを発表。11月から発売を開始します。

 霧ヶ峰で注目できる点はルームエアコンとして昨年、初めてAI(ムーブアイmirA.I.)を搭載したこと。これは室内の不快の発生を予知して、不快になる前に不快抑制運転へ切り替えることで、快適さを維持し続けるという独自の機能です。

「ムーブアイmirA.I.」の基本的な原理とは

 2019年モデルではこれがさらに進化しているわけですが、その前にまずはムーブアイmirA.I.の基本的な原理を、一般的なエアコンの自動快適モードとの比較で確認しましょう。

 室温の上下でヒトに不快感を抱かせる一番の要因は、外気温の変化や日射量の変化などです。これらは刻々と変わるものであり、それによる不快感の発生を抑止することはできません。そこで一般的なエアコンの自動快適モードは、室温が変化して不快な状態になってから、これを発見して解消運転に切り替える機能になっています。

 これをフローチャートにすると、
「快適⇒外気温等が変化⇒室温変化⇒不快発生⇒不快発見⇒不快抑制運転への切替⇒解消」
となります。

 ここで分かるように一般的なエアコンの自動快適モードでは、必ず「不快」な状態が発生します。そしてこれをエアコンのセンサーが発見してから抑制運転へと切り替えて不快を解消するという「後追い運転」になっています。不快が発生してから解消までにはタイムラグが避けられず、この不快の間に多くのユーザーが手動による設定温度の変更などを強いられるわけです。

 そこで、不快発生から解消までのタイムラグを発生させずに快適さを維持し続けようという発想がムーブアイmirA.I.です。その機能を一言で言えば「室温の変化が避けられない以上、AIで室温の変化を予測して不快が発生する前に、不快を抑制する運転に切り替える」ということになります。

 これをフローチャートにすると、
「快適⇒外気温等が変化⇒不快の発生を予測⇒不快抑制運転への切替⇒快適の維持」
となります。少なくとも理論上は不快の発生する余地がないことになります。

 ムーブアイmirA.I.は①「ヒトの温冷感」②「外気温・日射量の変化」③「小さな熱源」④「住宅性能」の四つをセンサー管理しており、これによって快適運転を制御しています。

 一般的なエアコンでも①や②はセンサー管理していますが、これだけでは不快の発生予測までは不可能。なぜなら、たとえ外気温変化が同じであっても、その影響による室温の変化量は木造住宅と鉄骨住宅では違いますし、同じマンションでも上層階と下層階では異なります。

 そこでムーブアイmirA.I.は、④「住宅性能」のセンサー機能を搭載したわけです。①と②の変化によって、その部屋の室温は、具体的にどう変化するのか。その速度や変化量など(=住宅性能)をAIが判定し、学習することで、少し先の不快の発生を予測。予測に基づく「先読み運転」で快適さを維持するという考え方です。

 外気温の変化から室温の変化までにはある程度のタイムラグがあります。しかも、そのタイムラグは住宅の構造や立地環境などで異なる。これを判定し学習すれば、個々の住宅性能に応じた不快の発生予測は不可能ではないといえるでしょう。

 三菱電機の話では、外気温が変化してから約30分後の室温変化を予測。そして、約1週間でその家の基本的な住宅性能を把握・学習可能とのことでした。それ以後も継続して判定を行うため、使っていくほど不快の変化予測精度も向上するといいます。

2019モデルは新たに「湿度」をセンシング

 では2019年モデルはどんな進化を遂げたのでしょうか――。それは新たなセンシング項目に「湿度」が加わったこと。そしてこれにより、冷房・除湿・送風・暖房の各運転モードを横断した快適自動運転を実現したことです。

 2018年モデルのムーブアイmirA.I.は温度のみをセンシングしており、変化予測も室温のみでした。このため自動運転も冷房(暖房)モード内で行っており、例えば室温が高まると予測すれば冷房温度を下げるという対応を行っていました。

 しかし2019年モデルでは、「おまかせA.I.自動」モードを搭載。これにより、例えば室温は変化しないが湿度が高まって不快になると予測した場合、運転モードを冷房から除湿に切り替えた上で不快抑制運転を行うなど、室内環境の変化に、より俊敏な対応が可能になります。

 三菱電機の調査では、「冷房と除湿の切り替えタイミングが分かりづらい」と感じているユーザーが90%にのぼったとのこと。確かにその切り替えタイミングは個々人の感覚的な判断が大きいといえるでしょう。

 中には「除湿の方が、電気代がかからない」という理由で除湿を多用するケースも少なくないと聞きますが、これは大きな勘違い。室温を下げない再熱除湿は空気を温め直してから室内に戻しているため、電力消費量は冷房と同等以上です。しかし、こうした誤解が根強い以上、AIが状況に応じて最適な運転モードを判断するという2019年型ムーブアイmirA.I.は、省エネと快適性の両立という意味でかなり画期的といえるのではないでしょうか。(征矢野毅彦)

三菱ルームエアコン「霧ヶ峰FZシリーズ」