疑問を解決! 賢く選択!! 賢く活用!!ヒトに聞けない基礎知識「Q&A」:PART1 プロジェクター

概要

オフィス機器を購入する際、あるいは業務で使っている時、さまざまな疑問を感じることがあるだろう。
ふと湧いた疑問を解決することは、機器の購入や活用に大いに役立つもの。
そこで、今号ではプロジェクターやビジネスプリンター、Wi-Fiについて、今さら聞けない基礎から最新トレンドまで、ユーザーから寄せられることの多い疑問をQ&A形式でまとめた。
ぜひ、オフィス機器の選択や活用の参考としてほしい。

PART1 プロジェクター

Q.ビジネスプロジェクターとホームプロジェクターの違いは?

A.大きな違いとしては、明るさと色の再現性が挙げられる。

会議やプレゼンテーションなどでメモを取りながら活用することが前提のビジネスプロジェクターは、明るい環境でも視認性を確保できるよう高輝度であることが最優先されている。

今や、エントリークラスでも輝度は3000lmを超え、ダイレクトに太陽光が差し込むような場所でなければ明るい部屋でも使用可能だ。ただし、パワーポイントやエクセルなどの資料を投写することがメインのため、色の再現性などについては優先度が低い。

一方、ホームプロジェクターは映画などの映像を高画質で楽しむことが最優先とされており、色の再現性などの画質が追求されている。輝度はハイエンドクラスでも2000lm前後が主流となっており、これは映画館のように室内を暗くして鑑賞する使い方が想定されているからだ。

最近は、ビジネスプロジェクターにも動画視聴向けにシネマモードなどを搭載する機種も増えており、それなりの画質で投写できる。だが、本格的な映像美を求めるなら、ビジネス機にこだわることなく、ホーム(シアター)プロジェクターの4Kモデルなども選択肢に入れるとよいだろう。

Q.明るさ(輝度)を選ぶ目安は?

A.投写したいスクリーン(画面)サイズを目安に選ぶと分かりやすい。基準は100インチ。これより小さなサイズで投写する場合は3000lm台のモデルを選ぶことで、かなりの明所でも明るく視聴できる。プロジェクターは投写画面が大きくなるほど高輝度が必要となるため、100インチを超えるスクリーンへ明るい環境で投写するには4000lm以上のモデルを選ぶようにしたい。

Q.結局のところ、3LCD方式とDLP方式はどちらがいいの?

A.プロジェクターの投写方式には、大きく「液晶(3LCD)方式」「DLP方式」「LCOS方式」の3つがあり、ビジネスプロジェクターでは前者2方式が主流だ。どちらが優れているかというわけではなく、それぞれの特徴(表1参照)をいかした製品開発が行われている。

3LCD方式は、光源からの光を赤/緑/青(RGB)の3原色に分解。各色に割り当てられた3枚の透過型液晶パネルを透過させた光を再合成してカラー映像化する技術だ。安定したカラー再現性や色域(表現できる色の範囲)の広さがメリットである。

一方、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)という半導体素子を用いた技術がDLP方式で、ビジネスプロジェクターでは1枚のDMDで構成された1-chip DLP(単板式)が主流だ。部品点数を少なくできるので、小型軽量モデルの多くに同方式が採用されている。後述のミニプロジェクターの実現ではDLPが現時点では唯一無二の方式である。

また、LCOS方式はJVCブランドのプロジェクターなどで採用されているもので、反射型液晶素子を用いた技術。原理は3LCD方式と同じだが、光を透過させるのではなく反射させる点で異なる。優れた解像度や高コントラストが特徴で、4Kホームシアター高級機や医療向けモデルなどを中心に搭載されている。

■表1 投写方式別の特徴

投写方式 主な特徴
液晶(3LCD)方式 安定したカラー描写が特徴で、鮮やかな色彩が得られる。デメリットとしては黒浮き(黒色がグレー調に再現される傾向)や、格子状の影が映像に出やすいこと(画素を駆動させる配線が画素間にあるため、それが映し出されることが原因)などが挙げられる。
DLP方式 高いコントラストや経年劣化の少なさなどのメリットがあるほか、単板方式(1チップのDMDを搭載)では部品点数を減らせるので、小型・軽量化が可能。デメリットは、RGBを高速で切り替えるという構造上、人によってはレインボーノイズ(虹のような模様)が映像上に見える場合があることなど。
LCOS方式 優れた高解像度や圧倒的なコントラストが特徴で、ハイエンドクラスの4K対応機や医療向けモデルなどに採用されている。本体は大型で高価格、ラインアップが少ない点がデメリットとされる。

Q.短焦点レンズのメリットは?

A.同一サイズのスクリーンに映像を投写する場合に、一般的なレンズよりも近い距離から投写できるレンズを搭載した機種を短焦点、または短投写モデルという。

狭い場所でも大画面で投写できることが特徴で、特に数十センチの距離から投写可能なレンズを搭載した機種は、超短焦点モデルと呼ばれる。

そのメリットは、壁掛けや机上設置などにより、従来にないプロジェクターの使い方が可能となること。さらに発表者にとっては光源の明かりが視界に入らないのでまぶしくなく、閲覧者にとっては映像上に発表者の影が映らないので視聴の邪魔にならないといったことが挙げられる。

Q.半導体光源は、本当にランプ交換が不要?

A.使用に伴う経年劣化が大きい水銀ランプは定期的な交換が必要であるのに対し、半導体光源は劣化が緩やかなため光源寿命が水銀に比べて圧倒的に長いことが特徴。その寿命は2万時間が一般的で、1日8時間/月間稼動日数20日間としても約10年間は光源を交換する必要がない。

ただし、半導体光源は光が強いだけに、内部パーツにも耐光性に優れた材質を使うことが求められる。水銀ランプ機に搭載されている通常パーツでは部品劣化により故障率が高くなるからだ。

例えば、エプソンではレーザー光源モデルに無機素材パーツを採用し、2万時間のメンテナンスフリーを実現している。天吊りなどの手入れがしにくい場所に設置する用途では、その負担を大きく軽減できる。

また、半導体光源は基本的にランプ交換を想定していない。光源寿命は、そのまま機器の寿命となる。それでも、法定耐用年数を大幅に超えて使うことが可能だ。

Q.最近、カタログで「レンズシフト」という機能を目にすることが増えたけど、どういうもの?

A.プロジェクターは、スクリーンに対して真正面以外の場所に設置すると投写画面が歪む。レンズ(映像)の移動により、この歪みを修正する機能をレンズシフトという。類似の機能に台形歪み補正があるが、ソフト的に補正を行うため画質劣化が起こる。これに対してレンズシフトは光学的に補正するので、基本的に劣化がないといわれている。

もともとはホームシアター機のハイエンドクラスやビジネス機の超高輝度モデルなどに搭載されていた機能だが、これが4000lmクラスのビジネス機などにも搭載されるようになり、目にする機会が増えたわけだ。

Q.ミニプロジェクターが話題だけど実用性は?

A.手のひらサイズの超軽量コンパクトを特徴とするモデルの総称が、ミニプロジェクター、あるいはピコプロジェクターだ。従来のA4モバイル型と呼ばれるタイプに比べ、さらに小型で、スマートフォン感覚で常時携行して活用できる。

リチウムイオンバッテリー搭載機が多く、外出先でも電源不要で使用できる。ワイヤレス機能を搭載したモデルなら完全ケーブルレスで活用することも可能だ。

また、メモリー内蔵やUSBメモリー対応といった機種もあり、PCレスで投写する使い方もできる。

輝度は100lm前後で明るいとはいえないが、投写環境の工夫により15型~30型サイズ、またはそれ以上のサイズで投写が可能だ。ミニプロジェクターではLED光源とDLP方式が採用されている機種が多く、この組み合わせはスペックからイメージする以上に画像が鮮明に再現される。

活用例は、マンション内覧中の情報提示や建設現場での工期確認、社内での自然発生的な打ち合わせなど、さまざまだ。