「Windows OS」最前線Win 10 Pro搭載PCは年内に導入を
早期移行が必要なこれだけの理由!

  • Windows 7 の延長サポートが2020年1月14日に終了
  • 2019年はITシステムに関係するイベントが目白押し。早期移行を推奨
  • セキュリティ強化、業務効率化やコスト削減など数々のメリットも
  • ビジネスでの使用を前提としたWindows 10 Pro搭載PCが最適

Windows 7 の延長サポートは2020年1月14日に終了──さまざまな場所で周知されているだけに、この事実はそれなりに浸透しているのではないだろうか。

延長サポート終了とは、「セキュリティ更新プログラムや有償・無償サポートなど一切のメーカーサービスが提供されなくなる」こと。安全かつ快適にWindows OSを使うためにはWindows 10 Proへの移行、現実的には同OSを搭載したPCの導入が求められることになるわけだ。

だが、OS移行については、「早期に乗り換える派」と「ギリギリまで待つ派」の二極化の傾向が見られる。大手企業などでは、移行に時間を要することや、「OSはさっさと乗り換えて早く操作に慣れて使いこなす方がメリットは大きい」との考えから、すでに移行済みの事業者が多い。

これに対して、中小企業では「慣れたPCを変えたくない」「コストをかけたくない」「別に困っていないし移行する理由がない」といった声が漏れ聞こえてくる。

特に、Windows 7 はビジネスに深く根付いたOSだけに、ギリギリまで待つという事業者が多いという。その移行状況は、Windows XPのサポート終了の時よりも遅れているとの調査報告もあるくらいだ。

2019年はイベントが目白押し

確かに、サポート終了まで約1年4カ月(本誌発行時点)ある。

Windows 10 はマイクロソフトにより徹底的に互換性などが検証されているとはいえ、社内で利用しているビジネスソフトとの互換性確認やソフトのバージョンアップ、周辺機器の対応確認などが必要だ。

こうした作業(OS移行)を行うのに必要な期間は、導入ソフトや周辺機器が少ない小規模なIT環境で3カ月程度という。

となれば、現時点で焦る必要はないと思うかもしれない。だが、2019年以降にはITシステムに関わる大きなイベントがあることを覚えているだろうか。

2019年5月には天皇の生前退位に伴う新元号への変更、同年10月には消費税が10%に増税される。

社内で対応作業が発生するのはもちろん、いずれもIT機器やシステムの設計・仕様変更に影響するイベントだけにメーカーも手一杯となる可能性が高い。そうした状況下では、「十分なサポートを受けられない」可能性も考えられる。

さらに、2020年の東京オリンピックに向けてサマータイムの導入も検討されている状況。IT機器では時間を軸に制御されているシステムが多く、その実施が正式に決まるようなことがあれば、対応には膨大な負担が発生することが指摘されている。

また、サーバー向けOSやOffice 2010など、2019年から2020年にかけて、同じ頃にサポート終了を迎えるマイクロソフト製品も多い。

■図1 2019年の主なイベント

早期移行によるメリットとは

旧OSからWindows 10 Proへの移行は、単なる必要に迫られてのことではない。ビジネス上のさまざまな利点を享受できる。

その導入により、得られる主なメリットをまとめたのが図2。業務効率化やコスト削減、生産性アップ、働き方改革、万全なセキュリティ対策などの実現が可能なITツールなのだ。

特に、歴代最高クラスともいわれるセキュリティ機能が標準装備されていることは、事業者にとって大きなメリットだろう。

ここ数年、標的型攻撃やランサムウエア、ビジネス詐欺メールなど、以前にも増して巧妙かつ複雑なサイバー犯罪が猛威を振るう。万一、情報漏えいなどにつながった場合、膨大なコスト負担が発生するだけでなく、信用さえも失うこととなる。

これを防ぐには、必要なセキュリティ機能を備えると共に、そのレベルを最新かつ適正な状態に保つことが重要。この点、Windows 10 Pro搭載PCには防御や検知、被害抑制などの総合的なセキュリティ機能がOSの標準機能として実装されているのだ。

Windows 7 も設計段階からセキュリティが考えられた、優れた性能が話題となった。だが、それも約9年も前のことである。

サイバー攻撃の進化は著しく、同OS開発当時のセキュリティ設計はもはや古い。実際、「Windows 7 では力不足。早くWindows 10 Proに移行してほしい」と指摘するのは、他ならぬマイクロソフト。それだけ、Windows 10 Proは実装されている機能のレベルがWindows 7 とは異なる(表1)。

これらの機能は、最新の脅威に備えて日々アップデートされている。そのベースとなるのは、マイクロソフトが抱える膨大なビッグデータだ。

OSやクラウド、Eメールなど世界規模で展開される同社のサービスから、攻撃のシグナルをリアルタイムで収集。データ量は、マイクロソフト自身が米国防総省に次ぎ世界で2番目となるサイバー攻撃の標的であるだけに、大手セキュリティベンダーも及ばない。

このビッグデータをAIや研究スタッフが解析し、自社の情報を守るノウハウとして蓄積すると共に、Windows 10 Proの防御機能にも反映させているわけだ。

■図2 Windows 10 Pro搭載PC導入によるメリット

■表1 Windows 10 ProとWindows 7 のセキュリティ機能比較

Windows 10 Pro Windows 7
デバイス保護 UEFI Secure Boot
Windows Trusted Boot
マルウエア対策 Microsoft Edge
Smart Screen
Windows Defeder
Smart Screen~Windws security Essentials
資格情報保護 Windows Hello
データ保護 Windows Information Protection
BitLocker
BitLocker to Go
BitLocker(※)
BitLocker to Go(※)
侵入検知と対応 Conditional Access

(※)Windows 7 のUltimate/Enterpriseエディションのみ。ProとHomeには非搭載

ビジネスにはWindows 10 Pro

ここまで、Proエディションを前提として見てきたが、これには理由がある。図2のメリットを得るには、同エディションが必要なためだ。ビジネス向けだけあって、管理機能をはじめとして業務を効率化するための、さまざまな機能を備える。

例えば、「Windows Update for Business」だ。常に最新テクノロジーを使うために機能更新や品質更新が定期的に行われる。同機能は、このアップデートのタイミングを日時指定により調整できるもの。不意の更新による業務停滞を防ぐことが可能だ。

規模の小さい事業者などは、Proエディションではなく、安価なWindows 10 Home搭載のPCを導入する傾向にあるが、前述のセキュリティ機能で未搭載のものがある他、Windows Update for Businessも使うことができない。

これは、Windows 10 Homeが個人用途を想定したエディションであり業務で使う概念がないからだ。

社内ネットワークのドメイン管理など今は使わない機能であっても、事業拡大や企業の成長に伴い、いずれ必要となる時期は来る。機能のステップアップに対応が可能なWindows 10 Pro搭載のPCを選んでおくことが賢明である。

これらを鑑みれば、Windows 10 Proへの移行を待つことのマイナス面を理解できるだろう。先延ばしすることなく、年内にも取り組み始めることをお勧めしたい。