AIが空気の汚れを“先読み清浄”/パナソニック・エオリア世界初!「AI先読み空気清浄」機能を搭載
ウェザーニュースとの連携で空気の汚れを予測

 秋のルームエアコン新製品シリーズ、第3弾はパナソニック「エオリアWXシリーズ/Xシリーズ」です。エオリアといえば独自のマイナスイオン発生装置「ナノイーX」による空気清浄機能が大きな特徴ですが、今回のニューモデルではそれに加えて、気象情報と連携して空気清浄運転を自動で開始する「AI先読み空気清浄」を世界で初めて実現したことが大きなポイントです。

 ルームエアコンのAI搭載といえば、三菱が室内の温度や湿度の変化予測に用いていますが、パナソニックはこれを室内の空気の汚れ予測に活用。エオリアは「健康な空気と暮らそう」をコンセプトに長年、ナノイーなどによる空気清浄機能を強化してきましたが、その延長線上としてついにAIの搭載というわけです。

 「AI先読み空気清浄」は気象情報のパイオニア「ウェザーニュース社」と連携。花粉やPM2.5の飛散情報をもとに室内の空気の汚れを先読みして、自動で空気洗浄運転を行うものです。この機能が実現した背景には、エオリアが昨年から搭載をスタートした独自の集じん機能「アクティブクリーンフィルター」があります。そこでまずは、こちらを説明しましょう。

逆転の発想「アクティブクリーンフィルター」

 一般にエアコンは、例えば冷房の場合、室内の空気を室内機で取り込み、その空気の熱を奪って冷気としてから室内に吹き戻すという動作プロセスをたどっています。そのため素人目には、空気を取り込んだ際に集じんフィルターを通すことで、空気清浄機能も付加可能ではないかと思われがちです。

 ところがこうした機能を持つエアコンは、今までは皆無でした。それは集じんフィルターを付加することは、エアコンの吸気を阻害して冷暖房の妨げになってしまうからです。

 そこでパナソニックが新開発した技術が「アクティブクリーンフィルター」です。これは室温や空気の汚れに応じて空気清浄機能のオン・オフを自動で判断し、オンの場合にのみフィルターを稼働させて集じん・空気清浄運転を行うもの。空気清浄運転の終了後はフィルターが自動収納するため、冷暖房運転への負担が非常に少ない構造になっています。その流れをチャートにすると次の通り。

 汚れを検知→フィルターを稼働→空気清浄を開始→清浄完了→フィルターを収納

 室内機が吸気した際、その空気を、フィルターを通して清浄化すること自体は合理的でありながらも、従来はこの合理性を阻害する要因があり、実現が不可能。それならば、その阻害要因をクリアして本来の合理性を生かそうというのが「アクティブクリーンフィルター」の基本コンセプト。いわば逆転の発想といえるでしょう。

 この機能により従来品の約20倍の集じん能力を発揮。空気中に浮遊するPM2.5の99%除去や、浮遊ウィルス・カビ菌・花粉・タバコの煙などの清浄を行うという非常に効果的な空気清浄運転を実現します。

「AI先読み空気清浄」&「つけっぱなし判定」

 そして「AI先読み空気清浄」は、この機能を大きく進化させた技術です。ウェザーニュースが発信する市区町村ごとのPM2.5や花粉の飛散予報データと、エオリアAIが学習した設置場所の住宅環境データをもとに、設置した部屋の空気が、その日に汚れるタイミングを予測。室外から侵入したPM2.5や花粉で室内の空気が汚れる前に、アクティブクリーンフィルターを稼働。空気が汚れる前に先読みして空気清浄運転を行うため、室内のきれいな空気を保ち続けられます。

 パナソニックによれば室内の空気の汚れは、室内で発生するハウスダストやホコリ以外にも、室外からのPM2.5や花粉の影響が大きいとのこと。そこでウェザーニュースの飛散予報データに着目して、汚れ発生予測の精度を大きくアップさせたわけです。しかも、エオリアAIの住宅環境判定は日々補正されるので、使うほどに精度が向上するとのこと。こうした補正はAI搭載の三菱エアコンも同様であり、AIならではの基本特性といえます。

 「エオリアWXシリーズ/Xシリーズ」でもう一つチェックしておきたいことは「つけっぱなし判定」の搭載です。これは昨今話題の“エアコン省エネ論争”に着目した独自機能。一般にエアコンは運転立ち上げ時に多くの電力を使うため、こまめな電源オフよりもつけっぱなしの方が省エネだとされています。しかしながらパナソニックによれば、「エアコンの能力値や設定状況、住宅環境などの違いによって、どちらが省エネだとは一概には決められない」とのこと。

 そこで「エオリアWXシリーズ/Xシリーズ」は、自らがその判断基準を提示するもの。パナソニックは数億件にものぼるエアコン運転のビッグデータをもとに独自の判定アルゴリズムを開発。エオリアAIが、ウェザーニュースの発信する気象予報データや設定された不在時間、学習した部屋の住宅環境などを掛け合わせた分析を行います。そして帰宅後に、設定した室温の到達までにかかる電気代について、オン・オフそれぞれの予測金額を提示します。

 これなどは非常にユニークで実務的、かつトレンドにもジャストフィットした機能ではないでしょうか。「エアコンの省エネにはオンか・オフか」について、これを感覚論や都市伝説に終わらせず、論理的に判定してみせるという意味で、かなり画期的な機能のように感じます。(征矢野毅彦)

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