4Kチューナー内蔵アクオスを発表/シャープ2基のチューナーで4K放送の裏番組録画も可能
ネットと連携した新サービス提案をスタート!!

 シャープが4Kテレビ放送チューナーの内蔵モデルを一気に発表しました。液晶テレビは1機種3モデル(60インチ、50インチ、45インチ)、レコーダーが1機種2モデル(4TB、2TB)、そして単体チューナーが1機種1モデルという顔ぶれです。

 テレビでまず注目できるのは価格でしょう。自社製液晶パネルということもあってか、非常にリーズナブル。市場想定売価は60インチ(4T-C60AN1)で28万円前後、50インチ(4T-C50AN1)で20万円前後、そして45インチ(4T-C45AL1)が15万5000円前後(いずれも税別)。4Kチューナーを搭載した4K液晶テレビとしては、お手頃ではないでしょうか。発表会の席上、シャープは「テレビ市場全体でアクオスのシェア40%を目指す」と目標を語っていましたが、その先兵役としての戦略的プライシングといえそうです。

 しかも3モデルとも4Kチューナーを2基搭載しており、別売りの外付けHDDを接続すれば、4K放送の裏番組録画にも対応。時間に縛られることなく、4Kテレビ放送を存分に満喫できます。

 また個人的に「いいな」と感じた部分は、低反射「N-Blackパネル」の搭載です(除・45インチ)。明るいリビングなどでも光の映り込みを抑えてくれるので、置き場所を選ばないといえるでしょう。しかも、同パネルは映り込みの抑制と同時に、艶やかな黒の再現性にもこだわったとのこと。液晶テレビの課題とされる「黒浮き」への対策ですね。

 市場では有機ELテレビに注目が集まっており、黒の再現性を評価する声が多いことは確かですが、その対抗策としてシャープが打ち出した液晶の新技術というわけです。その実力は実際に店頭に並んでから、見比べてみることが一番確実。そのあたりを意識しながら、液晶と有機ELのどちらが好みの画質かを選んでみるとよいと思います。もちろん現状の両者では価格の開きが大きいだけに、そのあたりを考慮することも重要です。

テレビの新たな役割を模索するアクオス

 また、ニューモデルでは4K以外にも、テレビとしての新たな提案が盛り込まれました。「COCORO CALENDAR(ココロカレンダー)」がそれです。これはシャープがアクオス向けに展開しているAIを応用した無料サービスの一つ。全世界で3200万ともいわれるダウンロード実績を持つスマホ向けカレンダーアプリ「ジョルテ」をアクオス向けにカスタマイズしたもので、個人や家族のスケジュール管理をテレビで行うことができます。

 一般家庭でよくみられるのが、家族のスケジュールを壁に貼り付けたカレンダーなどに書き込む管理方法です。ココロカレンダーはこれを大画面のテレビで行おうというもの。テレビのリモコンから音声入力でき、スマホとの連携も可能とのこと。外出先からのスマホによるスケジュール確認や登録にも対応しており、使い勝手は悪くなさそうです。

 しかも、ココロカレンダーのサービスでは、ジョルテが収集した全国約1万7000団体(自治体、イベント主催者等)が発信するイベント情報やお知らせなどを、その地域や家族の趣味嗜好などに合わせてAIが選別。これをカレンダー形式でテレビに配信するという新たな取り組みもスタートします。

 このサービスがどこまで有効なのかは、始まってみなければ分かりませんが、シャープがテレビにコンテンツ視聴以外の新たな役割を付加しようとしていることは確かです。世の中では「テレビ離れ」ということがいわれて久しいですが、これはあくまで「テレビ放送離れ」。テレビに情報の管理・発信機器としての新たな役割を与えることで、テレビの存在感をアピールし続けようというシャープのチャレンジといえるでしょう。

 他にもグーグルアシスタントを搭載しており、音声によるネット検索にも対応。個人的にはスマートスピーカー「グーグルホーム」を使っていますが、そこでモノ足りないと感じることはディスプレイがないこと。音声情報だけでは得られるコンテンツに限界があるだけに、グーグルアシスタントとテレビとの相性はよいのではないかと感じます。

 さらにシャープはグーグルアシスタントを使って、アクオスによる同社製家電(AIoT対応機種)との連携を実現しています。例えばネット対応の電子レンジ「ヘルシオ」との連携では、アクオスに搭載したグーグルアシスタントとメニューを音声で相談。グーグルアシスタントが提案したメニューを選べば、そのレシピをヘルシオにダウンロードしてくれます。そして素材を用意して下ごしらえをすれば、あとは自動で調理してくれるという先進的な使い方が可能です。

 4Kテレビ放送のスタートを機に、テレビの新たな可能性を追求し始めたシャープ。その試みは注目に値するのではないでしょうか。(征矢野毅彦)