話題のカッティングマシン「ScanNCut DX」登場/ブラザーカットデータ作成も素材の裁断も簡単
増え始めたビジネスでの活用事例

ブラザーは、紙や布を思い通りの形に簡単にカットできるカッティングマシン「ScanNCut(スキャンカット)」シリーズの新モデルとなる「ScanNCut DX」2機種の発売を開始。これに合わせて、製品体験会を開催しました。新製品をレポートします。

ハサミやカッター不要でカットデータを裁断

新モデルは、DXシリーズの「SDX1200」と「SDX1000」の2機種です。その特徴を語る前に、「カッティングマシンとは何か」について解説しましょう。

カッティングマシンという機器をはじめて耳にしたとの声も少なくありませんが、これはハサミやカッターを使わずにカットデータに従い紙などの素材を自由に裁断できるツールです。以前から製品化されていましたが、従来のカッティングマシンではPCでカットデータを作成しなければならずITスキルを必要とするなど、だれでも簡単に使えるというわけにはいきませんでした。

これに対して、ブラザーのスキャンカットは本体機能として、スキャナーが内蔵されています。これにより、手描きやプリンターで印刷したイラストなどを読み込むことでカットデータを作成できることに加え、本体に内蔵された模様をカットデータとして使うこともできます。操作は本体搭載のタッチパネル液晶から行うので、PCレスで使うことができます。液晶画面にカットデータを呼び出し、カッティングマットに素材を貼りつけてスタートするだけなので、だれでも簡単にオリジナルグッズを作成することができるというわけです。PCアプリ「キャンバスワークスペース」によりカットデータの作成や編集などもできるので、スキルに合わせた活用も可能となっています。

●ブラザーのスキャンカットは、PCレスでも使える簡単操作が大きな特徴

新モデルでは、こうした特徴を継承しながら、さらに簡単で使いやすいように性能や機能が進化しました。

型番 SDX1200 SDX1000
内蔵模様数 1303 682
内蔵フォント数 17 9
最大スキャンサイズ 296×603mm 296×298mm
インターフェイス 無線LAN/USB 無線LAN/USB
カット対象物の例 紙/薄い布/フエルト/PPシート/ウレタンフォーム 紙/薄い布/フエルト/PPシート/ウレタンフォーム
本体サイズ W531×D215×H173mm/約6.5kg W531×D215×H173mm/約6.5kg

さらに使いやすく進化した性能と機能

新シリーズScanNCut DXの特徴はいくつか挙げられますが、ポイントとしては「裁断品質の向上」と「使いやすさの向上」といえます。

裁断品質の向上としては、DXシリーズは同社の現行機に比べてスムーズなカットが可能となりました。複雑なカットデータでも裁断面のギザギザ感が大幅に軽減され、キレイな仕上がりが特徴です。

●細かなカットデータもキレイに裁断

使いやすさの点では、自動ブレード調整機能の搭載に注目です。従来機では裁断する素材や厚みに合わせて刃の出量などの細かい調節を手動で行う必要がありました。DXシリーズでは、機器が素材の厚みを感知して刃の出量やカット圧を自動で調整することが可能となり、だれでも正確なカットが簡単にできます。

また、カットできる素材の厚さがスペックアップ。従来機では最大1.5mmまででしたが、DXシリーズでは最大3mmの素材カットが可能となりました。裁断可能なパーツの幅が広がったことで、これまで以上にさまざまな創作物の作成ができそうです。

●自動ブレード調整機能が刃の出量やカット圧をオート設定
●裁断できる素材の厚さが最大3mmに

この他にも、新たに搭載されたり対応可能となった機能などはさまざま。視認性と操作性に配慮した大型5インチの液晶画面や無線LANを搭載した他、ロール状の素材をカットできる別売アクセサリーの「ロールフィーダー」を装着することにより、長尺のデザインや大量模様を一括カットするといったことができます。

●5インチの大画面液晶。画像は「SDX1200」
●別売アクセサリー「ロールフィーダー」でカット効率化の実現や多様な作品作りが可能となる

新モデルでビジネス用途へ拡販

スキャンカットは、今年になって急激に認知度が上がり始めたため最近の製品と思われがちですが、すでに数年前に製品化されています。

というのも、もともとカッティングマシンは、裁縫やステッカー作成などの分野で使われはじめたツールのため、流通経路も限られており一部の趣味的なものとして活用されてきたことが理由です。

ブラザーでも、スキャンカットについて「開発のきっかけは、細かい布パーツを組み合わせるミシンキルトに大きな需要を感じたこと。個々のパーツを手で切るため作業負担が大きいことに着目した」といいます。

このため、ブラザーも当初は趣味の分野で展開してきましたが、スキャンカットの特徴である紙や布など幅広い素材をカットでき、本体だけで操作を完結できるなどの特徴はビジネスでも活用できると判断。実際、「働き方改革などを背景にスキャンカットへの注目度が高まっている」とのことです。

ビジネスでの活用例は多彩です。店舗の空間装飾、POPや販促物の作成、カフェなどのオリジナルグッズの作成はもちろん、スポーツショップのウェア用ワッペンやオリジナルロゴTシャツの作成といった付加価値を高めるオーダーグッズビジネスを手軽に始めることが可能です。ミシンを手掛けるブラザーでは、スキャンカットと同社ミシンとのデータ共有も可能なため、スキルがなくともオーダーやオリジナルウェアを作成することもできそうです。

●スキャンカットとミシンによる作品例。データ共有により位置合わせなども簡単に行える

また、幼稚園や保育園などでは、子供の誕生パーティーや運動会、お遊戯会など季節イベントごとに大量の制作物が発生しており、先生や保育士の負担となっていますが、スキャンカットによる効率的な作業は大幅に制作時間の短縮につながります。

ビジネスから趣味まで幅広い用途で使えるスキャンカットは、個人的にも注目しているツールです。アイデア次第でその使い方は広がっていくだけに、ビジネス分野でどのような事例が出てくるのか楽しみです。(長谷川丈一)