申請終了迫る!最大150万円のテレワーク助成金/厚生労働省在宅、サテライトオフィス等の導入支援
成果目標の達成状況が助成金額に影響

中小企業や小規模事業者の働き方改革を支援する一環として、厚生労働省が「時間外労働等改善助成金」事業を行っていることをご存知でしょうか。いくつかコースがあるのですが、ここではテレワークコースについて解説しましょう。

成果目標の成否が助成額に影響

働き方改革において、中心的に論じられている取り組みの1つが場所にとらわれない仕事環境の整備ではないでしょうか。在宅やサテライトオフィス、モバイルで就業するテレワーク化に取り組む中小企業事業主に対して、その実施に要した費用の一部を助成して支援してくれる制度が「時間外労働等改善助成金(テレワークコース)」(以下、テレワーク助成金)です。

対象事業主

テレワーク助成金の支給を受けるには下記の要件を満たす事業主であることが求められます。


・労働者災害補償保険の適用事業主であること
・事業の規模が下記に該当する事業主であること。中小企業基本法に基づく定義要件なので、幅広い事業主が対象となるのではないでしょうか。

業種 資本または出資額 常時雇用する労働者
小売業(飲食店含む) 5000万円以下 50人以下
サービス業 5000万円以下 100人以下
卸売業 1億円いか 100人以下
その他の業種 3億円以下 300人以下


・上記の事業主で、「テレワークを新規で導入(試行的に導入している場合も可能)」または「テレワークを継続して活用している(過去に同助成金を受給した事業主は対象労働者を2倍に増加してテレワークに取り組む場合に2回まで受給可能)」こと。

これらに加えて、「テレワークの実施に積極的に取り組む意欲があり、成果が期待できる事業主であること」が求められています。

支給対象の取り組み

支給の対象となる具体的な取り組みとして、以下に掲げたもののうち、いずれか1つ以上を実施する必要があります。

・テレワーク用通信機器の導入と運用(Web会議用機器や社内PCを遠隔操作するための機器など。PCやタブレット、スマートフォンは対象外)
・保守サポートの導入
・クラウドサービスの導入
・就業規則/労使協定等の作成や変更(テレワーク勤務に関する規定の整備など)
・労務管理担当者や労働者に対する研修、周知や啓発
・外部専門家(社会保険労務士など)によるコンサルティング

 さらに、上記の取り組みを実施した上で、「成果目標」の達成可否が求められていることがテレワーク助成金のポイント。達成状況に応じて助成金額が変わります。成果目標として掲げられているのは下記3点です。

・評価期間に1回以上、対象労働者全員に在宅またはサテライトオフィスで就業するテレワークを実施
・評価期間において、対象労働者が在宅またはサテライトオフィスでテレワークを実施した日数の週間平均が1日以上
・「年次有給休暇の取得促進について、労働者の年次有給休暇の年間平均取得日数が前年と比較して4日以上増加」、または「所定外労働の削減について、労働者の月間平均所定外労働時間数が前年と比較して5時間以上削減」

これらの目標が実現されたかどうかの判断は、「評価期間」で行われます。具体的には事業実施期間(交付決定日から2019年2月15日まで)の中で1カ月から6カ月の期間で申請者自身が作成します。

助成金額

支給される金額は、「支給対象となる取り組み」を行った際に要した「対象経費」について、成果目標の「達成状況」に応じて決まります。

・対象経費

謝金/旅費/借損料/会議費/雑役務費/印刷製本費/備品費/機械装置等購入費/委託費

※契約形態がリース契約やライセンス契約、サービス利用契約の場合、対象は「評価期間」の間の経費のみ

・助成額

対象経費の合計額×補助率(上限額を超える場合は上限額)

※上限額は「1人あたりの上限額×対象労働者数」、または「1企業あたりの上限額」の低い金額

成果目標を達成した場合◎補助率:4分の3/1人あたりの上限額:20万円/1企業あたりの上限額:150万円
成果目標が未達成の場合◎補助率:2分の1/1人あたりの上限額:10万円/1企業あたりの上限額:100万円

利用の流れ

テレワーク助成金を利用するには、「時間外労働等改善助成金交付申請書」を事業実施計画書などの必要書類と共に、テレワーク相談センター(問い合わせ先も同センター)に申請締切日となる2018年12月3日までに提出。交付が決定したら、提出した事業計画に従ってテレワーク化を実施(評価期間)し、期間終了後にテレワーク相談センターに支給申請(2019年2月末日締め切り)を行い、審査の上で助成金が支給されます。

●テレワーク助成金の手続きフローチャート(申請マニュアルより)

テレワークコース助成金の概要については「リーフレット」、申請に必要な書類や詳細、申請書の書き方などについては「申請マニュアル」が用意されているので、そちらを参考にしてください。

テレワーク助成金の他にも数コース

時間外労働等改善助成金は、もともと「職場意識改善助成金」として行われてきた制度が、2018年4月に刷新されたもの。いくつか変更点もあったようですが、メリットとしては対象労働者ひとり当たりの支給額上限が拡充されたことでしょう。

テレワークコース以外にも、「勤務間インターバル導入コース」や「職場意識改善コース」など、取り組む改革内容によりいくつかコースがあります(すでに受付が終了したコースももある)。

テレワークコース:承認申請2018年12月3日まで
時間外労働の制限、その他の労働時間などの設定改善、仕事と生活の調和推進のため、在宅またはサテライトオフィスで就業するテレワークに取り組む中小企業事業主に対して、その実施に要した費用の一部を助成。

時間外労働上限設定コース:承認申請2018年12月3日まで
時間外労働の上限設定に取り組む中小企業事業主に対して、その実施に要した費用の一部を助成するもの。長時間労働の見直しのため、働く時間の縮減に取り組む中小企業事業主を支援。

勤務間インターバル導入コース:承認申請2018年12月3日まで
労働時間等の設定の改善を図り。過重労働の防止および長時間労働の抑制に向け勤務間インターバルの導入に取り組む際に、その実施に要した費用の一部を助成するもの。勤務間インターバルの導入に取り組む中小企業事業主を支援。

※申請受付が終了したコースは割愛

いずれも、「中小企業や小規模事業者が時間外労働の上限規制などに円滑に対応するため、生産性を高めながら労働時間の短縮などに取り組む事業主に対して助成するもの。中小企業における労働時間の設定改善の促進が目的」とされています。

働き方改革関連法案の順次実施を控える中、さまざまな取り組みを進めている事業者も多いと思います。申請受付の締め切りは迫っていますが、事業実施は助成金交付決定後なので取り組み内容や状況によっては十分に間に合うのではないでしょうか。(長谷川丈一)