世界最小・最軽量のネイティブ4Kプロジェクターを発表/キヤノンLCOSパネル&レーザー光源のリアル4Kモデル
普及型4K UHD機も発表、充実のラインアップ

キヤノンは、同社「POWER PROJECTOR(パワープロジェクター)」シリーズの新商品として、ネイティブ4K解像度(4096×2160)のLCOSパネルを搭載したレンズ交換式モデル2機種と、普及型プロジェクターの4K UHD モデル1機種の計3機種を発表。従来機と合わせ、4Kラインアップを拡充しました。

3モデルの4Kプロジェクターを追加

今回、発表された新モデルはネイティブ4K(4096×2160)解像度の「4K6020Z」「4K5020Z」、4K UHD(3840×2160)解像度の「LX-MH502Z」の3機種。さらに、レンズ交換式4Kプロジェクター用の高画質ズームレンズ「RS-SL07RST」。いずれも2018年12月上旬より、順次発売するとしています。

●ネイティブ4Kプロジェクター「4K6020Z」。新交換レンズ「RS-SL07RST」装着時
型番 4K6020Z
表示方式 反射型液晶パネル(LCOS)×3枚
投写レンズ レンズ交換式(7種類)
光源 青色レーザーダイオード+黄色蛍光体
色数 10億7300万色
明るさ 6000lm
コントラスト比 22000:1
消費電力 最大620W/待機時0.25~1.6W
外形サイズ W480×H196×D545mm
質量 約19kg(投写レンズ含まず)
市場想定価格 318万円

ネイティブ4Kプロジェクターの4K5020Zは、明るさが5000lmとなるモデル。コントラスト比(20000:1)と最大消費電力(550W)、騒音レベルが異なる以外は基本的に4K6020Zと同スペックとなっています。市場想定価格は298万円。

●4K UHD(3840×2160)解像度の普及型モデル「LX-MH502Z」
型番 LX-MH502Z
表示方式 1チップDLP
投写レンズ ズーム1.6倍/手動フォーカス/レンズシフト対応
光源 青色レーザーダイオード+黄色蛍光体
色数 10億7300万色
明るさ 5000lm
コントラスト比 50000:1
スピーカー 10W/モノラル×1
消費電力 最大550W(ノーマル)/最大400W(エコ)/待機時0.4~1.5W
外形サイズ W450×H154×D379mm
質量 約9.3kg
市場想定価格 59万8000円

ネイティブ4K解像度で世界最小・最軽量

新モデルにおける注目は、やはりネイティブ4Kプロジェクターでしょう。4Kプロジェクターでは、フルHDパネルの半画素ずらし技術などによる擬似4Kモデルが主流となっています。これは価格を抑える点では仕方ないことですが、実売で300万円前後の新モデルではネイティブの4Kパネルが採用されています。映像情報の1ピクセルをプロジェクターの1ドットに拡大縮小することなく忠実に再現できる点は大きな魅力です。

しかも、表示方式には反射型液晶パネル(LCOS)が採用されています。LCOSの原理は透過型液晶パネル(LCD)と同じですが、光を反射させる点で異なります。色の再現性や鮮やかさなどに優れたている点が特徴であり、高級クラスのシアターモデルなどに搭載されていますが、ビジネス向けモデルでこの表示方式を採用しているメーカーは、ほとんどないに等しいようです。

実際、LCOSを搭載したキヤノンのプロジェクターの投写映像を視聴したことがありますが、スペック以上に明るく鮮明な画像に驚きました。

また、4K6020Zと4K5020Zはネイティブ4Kとして“世界最小・最軽量(*1)”とのこと。同社独自のキーパーツの小型化技術を集結したWUXGA解像度モデル「WUX7000Z」(2018年7月発売)と共通プラットフォーム設計により実現されています。
(*1)レーザー光源を搭載したネイティブ4K解像度6000/5000lmクラスのプロジェクターのサイズと質量において。サイズは突起物含まず。質量はレンズ含まず。2018年11月8日現在。キヤノン調べ

この他にも、「4K専用の新レンズRS-SL07RSTを含めた7本の交換レンズによる幅広い投写領域」「没入感や臨場感のある投写を実現する独自ダイナミックコントラスト機能」「HLG(Hybrid Log Gamma)にも対応したHDR機能」などが、主な特徴として訴求されています。

一方、4K UHDモデルのLX-MH502Zは、1チップDLPを表示方式に採用した小型・軽量が特徴。パワープロジェクターで普及型に位置づけられるモデルで、天吊り設置などの負担を軽減する約9.3kg、上下最大±60%/左右最大±23%のレンズシフト、1.6倍ズームレンズなどのスペックは自由度の高い設置が可能でしょう。

ビジネス向けハイエンドモデルで強み

キヤノンといえば、複合機やプリンター、カメラが有名でプロジェクターというとあまり耳慣れないかもしれませんが、カメラの交換レンズで培われた高い技術力により実現された画像品質の高さに定評があります。主にビジネス向けのハイエンド市場を中心に展開しているため日常的に使う普及クラスでの認知度は高くありませんが、4Kモデル、短焦点や超短焦点など充実したラインアップを揃えています。

特に、ハイエンドモデルはプロジェクションマッピング用途などで活用されるケースも多く、東京タワー大展望台やあべのハルカス(大阪)、名古屋テレビ塔の展望台、お台場ヴィーナスフォート(東京)、東京ドームシティなど数多くの展示や演出イベントなどで使われています。

最近は、ハイエンドクラスだけでなくビジネスの日常的な会議やプレゼンテーション向けのモデルでの展開にも力を入れており、新モデルも製品化しています。この分野ではエプソンのシェアが圧倒的ですが、高級機で培われた技術が落とし込まれたキヤノンのモデルの認知度向上と共に、どう評価されていくのか。今回の4k新モデルともども気になるところです。(長谷川丈一)