「100億円キャンぺーン」第2弾を発表/PayPay前回と同様、還元率は最大で20%!!
ただし今回は少額決済用途がメイン

 昨年12月に、いろいろな意味で世間の注目を浴びたモバイル決済のPayPayが、「第2弾100億円キャンペーン」の開催を発表しました。期間は2月12日から5月31日(または還元額が100億円に達した時点)まで。今回も第1弾と同様、買い物金額の最大20%が還元されるというもの。ただし、詳細についてはかなり異なっており、PayPayの中山一郎CEOは「今回のキャンペーンは、食料品や日用品など日々の少額決済での、PayPayの利用促進を狙ったもの」と話しています。

 まず大きな違いは、毎回の買い物の支払い額から還元されるPayPay残高の付与率が、支払い方法で異なるということ。最大付与率の20%が還元されるのは、銀行経由での引き落としを行う場合のみ。Yahoo!JAPANカード決済の場合は19%となり、その他のクレジットカードを利用する場合は10%までダウン。これは、第1弾キャンペーンではクレジットカードの不正利用問題が発覚しただけに、そのウェートを下げたいとの思惑があるのかもしれません。

 また、1回の支払いにおける付与額の上限は1000円までで、キャンペーン期間中における付与の上限額は5万円まで。つまり、付与率20%の銀行引き落としで見た場合、1回の支払いでは5000円までが還元対象となるわけで、前回のように1回の支払い額が高額になる商品での利用は、効率的ではないということになります。キャンペーン期間中における上限付与額の5万円を最も効率よく受け取るためには、1回5000円の買い物を50回続ける計算になります。

 これと並行して同キャンペーンでは「やたら当たるくじ(懸賞)」も同時開催されますが、こちらも支払い方法によって内容が異なります。まずくじの対象者が、銀行引き落としかYahoo! JAPANカード会員に限られており、その他のクレジットカード決済は対象外。対象者は10回に1回の確率で、最大1000円が付与され、Yahoo! プレミアム会員については、その確率が5回に1回にアップし、同じく最大1000円が付与されます。

 また、キャンペーン期間中における上限の付与額は2万円までとなっています。なお、Yahoo!プレミアム会員向けの懸賞は、Yahoo! JAPANとの共同開催とのことで、Yahoo! JAPANカード会員の拡大策を兼ねているわけです。

Yahoo! JAPANとの共同開催キャンペーンも

 どちらのキャンペーンも第1弾との比較で付与額は小粒感が否めません。しかし、その原資が100億円であることは同じ。それだけ長い期間、多くの人がキャンペーンの恩恵を被ることができそうです。そして、これこそがPayPayが第2弾を行う最大の理由。中山CEOは次のように話していました。

 
 「第1弾の狙いは3つ。“QRコード決済を知っていただくこと”“PayPayを知っていただくこと”、そして“1度でいいから決済をしていただくこと”だった。今回の狙いはそこにはなく、日常的な買い物でPayPayを繰り返し利用いただくこと。日々の少額決済でPayPayを使うことに楽しみを感じていただけるキャンペーンにした」

 そのためPayPay加盟店も、コンビニやドラッグストア、ファストフード、さらには地域の中堅小売りや飲食など、利用頻度の高い業種へと拡大中とのこと。生活により密着した決済ツールとして浸透させたいと語っていました。

 PayPayが少額決済の方向へ本格的に舵を切った場合、ライバルになるのはスイカやパスモ、エディなどの非接触型ICカード。これらはいずれも実績もあり、今や日々の暮らしに深く浸透。会見では「攻略は簡単ではないのでは」との質問が飛びましたが、中山CEOは次のように答えていました。

 「第1弾は高額商品を中心にPayPay決済を体験していただき、第2弾では少額決済での楽しみを体験していただく。その後について、どういう方向にいくのかは現段階では未知数。お客様の声を聞きながら、対応していきたい」

 また、昨年12月からの矢継ぎ早な100億円キャンペーン展開や派手な広告展開に「この先、どうやって利益につなげていくのか」との質問もありましたが、これについては「現段階ではユーザーや加盟店を拡大することが最優先課題」と回答。稼ぐビジネスについては、「その次の段階として確実に展開いていく」と答えるのみでした。

 いずれにしてもPayPayがキャッシュレス決済業界に新風を巻き込んでいることは確かであり、昨年秋のサービス開始からわずか4カ月で、ユーザー数は400万人を突破したそうです。この記録は過去のYahoo!JAPANが展開してきたどのキャンペーンよりも早いとのこと。その意味では、ソフトバンクグループ流の拡大戦略としては、きわめて順調といえるのかもしれません。第1弾で浮きぼりとなったシステム障害やクレジット不正利用などの問題も「すべて解決した」と話す中山CEO。第2弾がどんな着地点を迎えるのか、非常に注目すべきキャンペーンです。(征矢野毅彦)