スキャナーの新モデル3機種を発表/エプソン高速モデルの「DS-970」&「DS-870」
フォト向けスキャナー「FF-680W」

エプソンは、A4高速ドキュメントスキャナーとフォトスキャナーの新モデルを発表。3機種を、2月21日から発売するとしました。スタンドアローンの強みをいかした特徴を持つ新製品のレポートをお届けしましょう。

A4高速ドキュメントスキャナー「DS-970」「DS-870」

今回、発売される新モデルはA4ドキュメントスキャナーの「DS-970」と「DS-870」、フォトスキャナー「FF-680W」です。

最近はビジネス機やコンシューマ機を問わず複合機にスキャナー機能が搭載されているため、ちょっとしたデータの電子化なら十分に間に合います。しかし、スピードや読み取りの安定性、電子化に特化した機能などの点で、やはりスタンドアローンのスキャナーは快適で利便性が高いといえます。エプソンの新製品も、そうしたメリットを存分に発揮したモデルとして仕上がっているようです。

まだまだプリントが主流とはいえ、文書や帳票、書類などの電子化は進んでいます。例えば、金融機関や官公庁、医療機関などでは各種の申請書類や証明書などのさまざまな帳票が電子化されており、大量の文書を電子化するために生産性の高いスキャナーが求められているとのこと。新モデルの「DS-970」と「DS-870」は、そうした要望に応えたモデルです。

●A4高速ドキュメントスキャナー「DS-970」
機種名 DS-970 DS-870
形式 シートフィード型両面読取カラーイメージスキャナー シートフィード型両面読取カラーイメージスキャナー
搭載センサー カラーCIS×2 カラーCIS×2
光学解像度 600dpi×600dpi 600dpi×600dpi
読み取り解像度 50~1200dpi(1dpi刻み) 50~1200dpi(1dpi刻み)
最大有効領域 215.9×6096mm 215.9×6096mm
読み取り速度 300dpi:約0.15msec/line
600dpi:約0.31msec/line
300dpi:約0.20msec/line
600dpi:約0.44msec/line
インターフェイス USB3.0(Super Speed)
※有線LANオプション
USB3.0(Super Speed)
※有線LANオプション
消費電力 動作時約20W/スリープ時約1.4W 動作時約18W/スリープ時約1.4W
外形寸法 W296×D212×H217mm W296×D212×H217mm
質量 約3.6kg 約3.6kg

新モデルの上位機「DS-970」は読み取り速度毎分85枚と、同社の従来機から約30%も高速化。「DS-870」も毎分65枚と、従来モデルの最速機と同等スピードが実現されています。給紙容量も100枚にスペックアップしており、電子化の生産性向上に役立つことは間違いないでしょう。

高速化による生産性アップに加えて、「DS-970」と「DS-870」の特徴として挙げられているポイントは以下の通りです。


・安定したスキャン作業を支援する給紙機能
・カラー液晶パネル搭載で各種設定やメンテナンス操作などに本体で対応可能
・オプションとの組み合わせで機能拡張が可能
・業務効率化をサポートするアプリケーション「Document Capture Pro」を標準搭載

このうち、目を引くのは「安定したスキャン」と「機能拡張」でしょう。スキャン作業の生産性には読み取りスピードだけでなく、安定性も大きく影響します。給紙不良などにより何度も読み取りを繰り返すようでは、生産性アップどころかストレスが溜まってしまうもの。新モデルでは、重送検知などの従来からの機能に加え、ホチキス留め原稿を給紙すると読み込みを停止する「原稿保護モード」や、しわが寄った原稿などをスキャンする場合に給紙スピードを落とす「低速モード」を追加。電子化作業を安心して行えるように配慮されています。

また、機能拡張の点では、オプションのネットワークインターフェイスユニットを使うことにより、最大100台までのPCでスキャナーを共有できます。フラッドベッドスキャナー「GT-S650」も別売オプションとして用意されており、これを組み合わせることでADFとフラットベッド原稿台を同時に使用でき、用紙対応力が向上します。

フォトスキャナー「FF-680W」

一方、個人的にも気になっている新モデルがフォトスキャナー「FF-680W」です。エプソンでは、「My Memory Scan~美しく残したい想い出がある」をコンセプトに開発したとのこと。紙焼き写真のデータ化を主目的としたモデルとなっています。

●フォトスキャナー「FF-680W」
機種名 FF-680W
形式 シートフィード型両面読取カラーイメージスキャナー
搭載センサー カラーCIS×2
光学解像度 600dpi×600dpi
読み取り解像度 Epson FastFoto使用時:300dpi/600dpi/1200dpi
Epson ScanSmart使用時:50~1200dpi(1dpi刻み)
最大有効領域 写真:215.9×914.4mm/ドキュメント:215.9×6096mm
読み取り速度 300dpi:約0.30msec/line、600dpi:約0.62msec/line
インターフェイス USB3.0(Super Speed)/IEEE802.11b/g/n
消費電力 USB接続:動作時約17W/スリープ時約1.2W~Wi-Fi接続:動作時約18W/スリープ時約1.4W
外形寸法 W296×D169×H176mm
質量 約3.7kg

FF-680Wの最大の特徴は、シートフィードタイプの紙送り機構を採用した点といえます。紙焼き写真の電子化といえば、これまではフラットベッド型が主流でした。一般的なドキュメントスキャナーでも写真の読み込みは可能ですが、最適な設定で高画質にデータ化したいとなると、やはり写真の読み込みを意識したモデルが求められます。こうしたモデルでは、フラットベッド型がほとんどだったことが理由として挙げられるでしょう。

しかし、フラットベッド型の大きな欠点は、一度に読み取れる枚数が少ないこと。A4対応モデルで、L判を4枚程度並べるのが精いっぱいです。

これに対して、ADF搭載のFF-680Wは、L判を一度に36枚までセットできます。しかも写真の読み取りスピードは毎分80枚とのこと。1枚あたり1秒程度で処理することができます。

フイルムからデジタルへの移行期を過ごした40代以降の世代では、自宅などにかなり紙焼き写真があるのではないでしょうか。親や祖父母の時代の紙焼きも含めれば、相当な数になることでしょう。これを、すべて電子化するには、シートフィードタイプのフォトスキャナーはかなり利便性が高いと思います。

また、両面同時スキャン対応であることも利点です。ドキュメントタイプでは珍しくありませんが、この両面同時に読み取る機能は紙焼き写真の電子化でも大いに役立つものです。紙焼き写真の裏側に、メモが書き留められていたりしないでしょうか。日時や場所、撮影した時の感想などは写真と共に大事な記録です。両面同時スキャンにより、写真もメッセージも同時に残すことができるというわけです。

フォトスキャナーと銘打ったモデルだけあって、FF-680Wには紙焼き写真の電子化向け機能も多数搭載されています。写真を簡単に取り込むために新たに搭載されたアプリケーションがPC専用「Epson FastFoto」。紙焼き写真をセットしてスキャンボタンを押すだけで、読み取りと同時にデータ保存も完了し、同アプリからメール添付やクラウドへのアップロードなどが可能です。また、退色した写真を鮮やかに復元する機能も搭載。スキャン時にオリジナルと補正写真がデータ化されるので、好みに合わせて選べるようになっています。

写真用途として高性能で多機能とはいえ、写真のデータ化だけでは手が出にくいものですが、FF-680Wはドキュメントスキャナーとしても活用可能とのこと。ADFに100枚まで給紙でき、毎分45枚のスピードで文書を読み取れます。文書用としても十分に使えるとなれば、導入の敷居も下がるのではないでしょうか。(長谷川丈一)