「AV&IT機器 需要動向調査」を発表②/JEITAウインドウズ7からの買い替え需要は2019年まで
今後の救世主となるか!? “2in1”ノートパソコン

 先週に引き続きJEITA(一般社団法人電子情報技術産業界)が発行した「AV&IT機器世界需要動向」(調査協力:(株)富士キメラ総研)の最新版から、今回はパソコンを中心としたIT機器を見てみましょう。

2019年までは確実に需要拡大

 まず2018年のPC世界需要は前年比100.8%の2億6550万台。ほぼ横ばいですが、2019年は若干持ち直して同102.1%の2億7100万台を予測しています。その最大の要因は2020年1月に迫ったウインドウズ7のサポート終了。これを見越した買い替え需要です。特に法人向けのノートPCが顕著で、ノートだけをみれば2019年は同104.1%の1億6350万台までの伸びが予測されています。

 ただし、OSのシフトによる買い替え需要の増加は2019年まで。2020年以降は「その反動による微減傾向に転じると見込まれる」としています。これはノートPCでも同様であり、さらに調査書では「将来的に、逐次オンラインアップデートによる新OSへのバージョンアップを行う方式が中心になっていく可能性が高い。これまでのような新OSの登場や、OSサポート終了などにともなうハードウェアの買い替えによる需要増減の幅は減少傾向に向かうと見込まれる」と分析。パソコン市場が大きな転換点に差し掛かっていると分析しています。

 こうした需要傾向は国内のパソコン市場も同様で(図1)、2018年の国内パソコン需要全体は前年比104.2%の1095万台。デスクトップこそ同97.7%の345万台にとどまりましたが、そのマイナス分をノートPCがカバー。同107.4%の750万台と大きく伸長としています。
          ■図1

単位:万台、( )内はPC総需要、出典:電子情報技術産業協会

 2019年もこの流れは継続し、パソコン需要全体では102.7%の1125万台、そしてノートPCに限れば106%の795万台が予測されています。その要因は引き続き、ウインドウズ7のサポート終了を見越した買い替え需要であり、同時に法人を中心にデスクトップからノートPCへの買い替え機運が市場を後押しすると予測しています。

 2020年以降は世界需要予測と同じく国内需要においても、買い替え需要の反動により、需要は減少基調に転じると予測しています。ただし国内市場に限った今後のプラス要因として、政府が今、強力にプッシュしている「働き方改革」をあげています。調査書では「働き方改革の進展に伴うデスクトップ型からノート型への需要シフトが見込まれることから、その減少幅は微減にとどまると見込まれる」としています。

170%の大幅成長が予測される「2in1ノート」

 こうしてみるとパソコン市場の今後は、少なくとも“成長”が期待できないことは確かなようです。それでも裏を返せば、国内だけでも年間1000万台は需要が見込める、安定的な大市場ともいえるでしょう。

 これを前提条件として考えれば、今後のメーカー間競争は、圧倒的な低価格で量を狙うのか、量より質の高付加価値戦略で行くのか、という二極化がますます進展することになりそうです。これを考える上で興味深いデータが、調査書に記載されていました。それはパソコン総需要に占める「2in1型ノートPC」のシェア推移です。

 図2は世界市場における2in1の構成比推移を予測したものですが、2018年には11.3%の3000万台だった2in1は、2023年には19.6%の5100万台にまで急速にシェアアップすると予測しています。これは伸び率にすれば170%。当然、メーカー各社はこのゾーンに高付加価値のニューモデルを集中投下することになるはずです。
          ■図2

単位:万台、( )内はPC総需要、出典:電子情報技術産業協会

 調査書では「キーボードをオプション販売(本体別売り)とするタブレット製品を含まない」と注記しており、どこまでを2in1と定義しているのかが分かりにくい部分もあります。ただし、これを楽観的に解釈すれば、キーボード別売りのタブレットを合わせれば、2in1はさらに大きな需要が期待できる、ともいえるわけです。

 需要の中心はやはり法人となりそうですが、パソコンと違って2in1やタブレットの需要は、製造やサービスの現場、教育の現場などと、より幅広いマーケットが考えられます。ここをどう攻略するか――。今後のパソコン市場は、そのための知恵の絞りあいということになりそうです。(征矢野毅彦)