ディスプレイ&プリンター市場の見通しを発表/JEITA急成長が確実視される「パブリックディスプレイ」
デジタルサイネージの普及で継続的な二けた成長!!

 JEITA(一般社団法人電子情報技術産業協会)が情報端末装置市場見通しを発表しました。これはディスプレイ、プリンター、イメージスキャナー、OCRの4分野について、2018年の国内市場実績と、2021年の国内市場見通しをまとめたもの(表)。個別に見ていきましょう。

 まずディスプレイですが、2018年の総台数は1391万台と大きく、しかも前年比でも107%と大幅に伸長。IT機器市場における優等生ともいえる実績でした。

 その中でも注目株は「パブリックディスプレイ」でしょう。2018年は、総台数こそ15万台と大きくはありませんでしたが、前年比は127%という急成長ぶり。2021年も2018年比で122%の18万台と引き続いての成長が予測されています。

 パブリックディスプレイは、いわゆるデジタルサイネージなどが含まれる商品分野。2020年の東京オリンピック/パラリンピックに向けて企業や自治体などが導入を加速させていることが、成長の要因と考えられます。

 しかもJEITAでは「2020年に向けたインフラ投資後にもかかわらず、2021年も需要が伸びる見込み」と予測しています。それがなぜなのか、については言及されていないところが、今一つ説得力にかける部分ではありますが、今後の成長が期待できる分野であることは確かでしょう。

 デジタルサイネージでいえば、ディスプレイのハードだけではなく、付随するコンテンツ市場の伸びも確実視されており、その市場規模は2020年には現状の3倍に達するとの予測もなされています。

 また、ディスプレイ分野では「液晶モニター」も2018年に二けた成長を遂げました。台数自体が460万台と大きく、しかも前年比113%ですから、IT機器市場を支える商品分野の一角といえます。

 成長の要因については、以下のようなものがあげられるでしょう。
①より大きな画面のものへの買い替え
②4K等のより高精細なものへの買い替え
③1台のPCに複数のモニターを接続するマルチモニター環境の普及
④ノートPCへの外付け使用の増加
⑤ゲーム等特定用途向けモニターの普及

 ただし、2021年は2018年比101%でほぼ横ばい基調の予測ですから、液晶モニター市場の成長は現状がほぼピーク。以降は安定需要期にさしかかると考えることが自然なようです。

横ばい基調のレーザー方式

 ディスプレイとは対照的に市場の縮小傾向が続いているのがプリンターです。2018年の総台数は575万だと大きいものの、前年比は92%という二けた近い縮小。その最大の要因は全体の70%以上を占める「インクジェット」が前年比で89%の430万台にまでダウンしたことです。

 インクジェットはその9割がコンシューマー向けとされ、主要な用途の一つが年賀状印刷とされています。ところが肝心の年賀状発行規模が2003年の44.6億枚をピークに、2019年は25.6億枚(前年比86%)までダウン。このことが、インクジェット市場のシュリンクにも大きく影響していることは確かでしょう。

 また、今後の伸びが期待されているビジネス・インクジェットについても、横ばい基調との見方が多いようです。これは事業所におけるペーパーレス化の浸透にともない、プリンターの需要そのものが縮小傾向にあるからだと推測されています。

 ビジネス向けでは「電子写真式(レーザー等)」が前年比100%の139万台と健闘しており、2021年も横ばいの139万台と安定的な需要が予測されています。その要因は、モノクロからカラーへの買い替え、及びSFP(プリンター単機能)からMFP(複合機)への買い替えが進んだことがあげられており、JEITAでは次のように分析しています。

 「情報端末の普及、電子情報での保管や企業のプリントコスト削減等により、紙文書が継続的に減少する傾向に変わりはないが、紙出力の必要性は根強くあり、電子写真プリンターの市場は底堅い」

 ビジネスシーンにおける紙出力の在り方・扱われ方が、今後どう変化するのか――。インクジェットでも電子写真式でも、ビジネスプリンターの命運はまさに、この1点にかかっていることは確かです。(征矢野毅彦)