10機種の4K内蔵テレビを発表/東芝全機種が4Kチューナーをダブル搭載
液晶最高峰には65型VAパネルを採用

 東芝映像ソリューション(以下、東芝)が4Kチューナー内蔵液晶テレビ「レグザ」のニューモデルを発表しました。3シリーズ10モデルという豪華ラインアップで6月上旬から随時発売開始されます。

全モデルが4Kチューナーをダブル搭載

 東芝は4K放送開始に合わせて昨年から、4Kチューナー内蔵モデルのラインアップを、他社に先駆ける形で急速拡充させており、現在発売中の4Kレグザは、その97%が4Kチューナーを内蔵。しかも、今回発表したニューモデルはすべて4Kチューナーをダブルで搭載しており、全機種が4K放送の裏番組録画に対応しています。

 液晶レグザのフラッグシップに位置付けられている「Z730X」は、全モデルが直下型LEDバックライトを採用し、精緻なエリア制御を実現。最新の4K/HDRコンテンツを忠実に再生するためのテレビとして、最適のシリーズといえるでしょう。

 個人的にはVAパネルを搭載した65Z730Xが、気になるモデルです。よく「VAパネルとIPSパネルはどちらがいいのか?」と質問されるのですが、画質の好き嫌いだけでいえば、個人的にはVAを推奨しています。やはり真正面から視聴する際には、色の深みやコントラストの明解感などで、まだまだVAに分があると思うからです。

 東芝としても「これ以上の画質を求めるのであれば、有機ELレグザを買っていただくしかない」(本村裕史ブランド統括マネージャー)というほどの自信作。

 しかも、大型65Vサイズで、精緻なエリア制御が可能な直下型LEDバックライトを採用しながら、35万円前後という想定売価。数年前なら50万円オーバーが当たり前でしたから、かなりのお買い得感があります。スタート段階でこのレベルの価格ですから、数カ月後には30万円切りも予想できますし、画質にとことんこだわるユーザーにとっては、要チェックのモデルではないかと思います。

 対するIPSモデルですが、こちらはリビングなどでの複数人数の視聴に適したモデル。IPSは視野角の広さを特徴としていますから、家族で和気あいあいと4K放送を楽しむには最適です。その中でもレグザならでは、と感じたのは「43Z730X」です。43V型といえば今となっては中型サイズ。そこに直下型バックライトのエリア制御を採用したモデルというのは非常に貴重でしょう。17万円前後という想定売価も手ごろといえますし、リビングだけでなくプライベートルームなどで、一人でじっくりと高画質を堪能するテレビとしても面白い存在だと思います。

番組視聴スタイルの新たな提案

 レグザの代名詞といえば、やはり「タイムシフトマシン」。最大6チャンネルの地デジ番組を、約80時間分まるごと録画できる機能です。今回のニューモデルではZ730XとRZ630Xの2シリーズに搭載されていますが、RZ630Xはさらに2TBのUSBハードディスクが標準で付属したお買い得モデル(Z730Xは、別売りの対応ハードディスクが必要)。しかもテレビに接続した状態で出荷されるため、面倒な設定なども不要で、すぐにタイムシフトマシンを楽しむことができます。

 東芝ではタイムシフトマシンを「視聴スタイルの変革」と命名しています。かつてのテレビ視聴といえば、ユーザーは放送時間に合わせることが当たり前。それが、家庭用録画機の登場で時間の制約から解放され、さらに丸ごと録画機能の登場で番組予約の煩わしさからも解放されたわけです。

 そして東芝は、ニューレグザで新たな変革にトライ。それはAI技術とクラウド技術を用いた「みるコレ」機能です。これはクラウドに蓄積した膨大な視聴データに基づき、機械学習をはじめとするさまざまなアルゴリズムで、ユーザーの関心や視聴パターンを推測。膨大な録画番組の中から、個々のユーザーにとって、より最適な番組を推奨してくれるものです。さらには「おまかせ録画」もAIで進化させており、よく見る番組を機械学習で解析し、おすすめ番組を自動で録画してくれます。

 「目指したのは、テレビを起動してから数秒で見たい番組が表示されること」と本村ブランド統括マネージャー。もっとも、ここまでの機能を必要とするかどうかは個々の判断。テレビとの付き合い方度合いで、変わってくるでしょう。ただ一ついえることは、東芝はテレビ番組を基軸として、その視聴に関するさまざまな提案を、テレビというハードを通じて率先して行い続けていることです。

 “テレビ離れ”を言われて久しい現状、この課題を従来と同じ視聴スタイルの継続だけで解決することは、至難の業かもしれません。これに対する東芝の回答が、テレビ受像機側から新たな番組視聴スタイルの提案を行うこと。他の多くのメーカーは、テレビを番組視聴以外の「家庭内の各種情報表示モニター」として提案する傾向を強めているだけに、ある意味で異質といえるかもしれません。しかし、ここがレグザのコアであり、熱心なレグザファンに支持され続けている原点であることも確かです。(征矢野毅彦)